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2020/12/02

Worth of Mythology について語ろうと思います

1: この記事について

 定期ゲAdvent Calendar 2020[樅]12月2日の参加枠が余っていたので、諸事情から参加人数の限られていた「Worth of Mythology (しんわーす)」の思い出でも残しておこうと思います。
 ちなみに私は、Worth of Mythology 第一班 ENo.2 どぶろくで参加しておりました。

2:私について

 主にハンドルネーム「風切快夢」で雑談をしたりドット絵を打ったり、ゆるゆると定期更新ゲームに参加などしております。参加タイトルとしては――
「Cerestial Call」ENo.2897  небо_ткань (ニエーバ・トカーニ)
「言の葉の樹の下で」ENo.117 プセズポルニカ (ポニーさん)
「霧戦争」 第四期ENo.0234 Marie 第五期 ENo.0219 アクロ
「LastOrder#A」ENo240 Obladi_OreOle (俺ちゃん)
「Stroll Green(ソラニワ)」ENo.1213 霧文の君 (旦那) 後のGFでは ENo.24
――テストプレイ抜きだと、この辺りでしょうか。名前に聞き覚えがある方、お付き合い頂きありがとうございます。顔を思い出せる方、おそらく戦友です、ありがとうございます。

3:定期更新ゲームについて

 詳しい紹介は先達の執筆者さま方が既に残しておりますが、主催者(運営やGMと呼ばれます)が定めた期日や手番をうまく使用して、ルールで定められたゴールを目指す遊びであると、私は認識しております。我々のゴールを阻む障害として、GMが用意した敵(NPC)が襲いかかったり、時には他の参加者と戦闘することもあるでしょう。
 また、アクションゲームと比べて反射神経で対応できる部分が少ないのも特徴の一つです。最終的に決めた宣言内容は、戦闘の途中で不備に気づいても覆せません。そして人間は完璧ではないので、いつか何処かで失敗します。
 何かしら余裕を持って行動する事が、定期更新ゲームを継続するコツではないかと思います。

4:Worth of Mythology (しんわーす)

 これは偉大なる定期更新ゲーム作者の一人「霧のひと」が送り出した作品です。私は主に「霧戦争」シリーズに途中から参加しておりますが、他にも「てぃーこん」や「ゼロ城」といった舞台が広がっています。私が知らないだけでもっとたくさん出しています。
 そのため、私の中では霧のひとといえば「自分だけのロボットをバチバチ組んで、残像領域と呼ばれる広場に皆で持ち寄ってブンドドしようぜイエーー!!」の印象が強いのですが、このWorth of Mythology では、ドラゴンや巨人が闊歩する戦場で人や妖魔が剣と魔法と銃でブンドドします。
 そんな畑違いのゲームになぜ参加したのか?

 2019年の夏でしたか。twitterを覗いていたらGMからダイレクトメールが届きました。
 曰く「テストプレイのご案内」
 珍しいなと、思いました。霧戦争では目立った活躍もしていませんでしたし、特段ゲーム巧者というわけでもない私に声がかかるとは、一体全体どういう事なのか。
 幸い時間の都合は取れそうでしたので、軽い気持ちで専用のDiscord鯖に参加。たぶん初心者を揃えて手応えを測るつもりなのかなーと新規登録。

5:錚々たるメンバーが集められてました

 まずは「霧戦争」に参加した人なら名前に聞き覚えはあるであろう Big of Big 松戸 氏が、ENo.1でニッコリ微笑んでおりました。状況を飲み込めぬまま参加者リストを確認すれば、残像領域で常にランキング上位に名を刻んだり、冷たい川底を焦がし続ける熱量で日記を刻む猛者たちに囲まれておりました。ごめんなさい、おしっこチビリそうです。

 テストプレイするゲームは、定期更新の形は取っているもののGMや他のプレイヤーと密に連絡を取り合える環境で、これはテーブルトークRPGに近いと感じました。大まかなストーリーは決まっていても、プレイヤー達の選択と結果次第で筋書きは変わるだけの余裕がある。その余裕を生み出すためのギリギリの参加人数が、クローズドテストの招待数なのだろうと。
 内容は、ファンタジーな舞台で陣取り合戦を楽しむVRなオンラインゲームに接続したままログアウトできなくなった我々が、ゲーム内部から脱出を図るサスペンスといった所でしょうか。放置すればログイン状態で囚われている世界中のユーザーもろとも死亡するらしいので、何とかしなければなりません。
 しかし、私は考えました。
「オンラインゲームに集まった連中って、そこまでチームプレイするかな」と。
 定期更新ゲームは舞台の上に立ったキャラクターが、そのキャラクターの価値観に従ってものを考え行動し、ゲーム世界を彩る遊びでもあります。
 この場合、そもそも「人類大虐殺の恐れが嘘、ハッタリ」と考えるキャラクターも当然いるだろう、と。ですが、この態度をプレイヤー側で選んでしまうとゲームの進行が遅れてしまいますし、何より楽しめません。参加するからには楽しまないと損です。
 そう、更新日に備えて周りのベテラン達がキャラ設定を詰めていく中で「私はどうしてここに呼ばれたのだろう」と考えていました。
 せっかくなので、この疑問を軸にキャラクターを作成です。

6:つまはじきもの

 オンラインゲームをやっていれば、気に入らないユーザーと遭遇するくらい日常茶飯事です。大半はゲームの妨害行為をしたり他のプレイヤーを侮辱する悪質なプレイヤー。たまに双方の意思疎通で事故を起こしたり。悲しみと共に通報とブロックは今日も空を渡ります。
 Worth of Mythologyでは、どんな迷惑行為が考えられ、横行しているだろうか。まず「寄生」を思いつきました。マルチバトルの戦場でコソコソと逃げ回り、弱った敵だけ仕留めて経験値やアイテムドロップを頂く火事場泥棒。
 自分で考えておいて何ですが、仮に私が主催者ならこんな奴を卓に誘おうとは思いません。適当な理由をつけてBANです。
 そんなキャラが、たまたま今回の事件を解決するメンバーに紛れ込んでしまった。
 改めてルールを確認すると、プレイヤーが選べる種族に「ゴブリン」がありました。折しもゴブリンスレイヤーが盛り上がっている時期で、ゴブリンといえば粗暴でありながら臆病で狡猾なイメージを共有しやすい。これです。
 さらに職業として「盗掘者」がありました。これは戦闘面の恩恵が弱い代わりに拾えるアイテムが増える職業で、イメージにぴったりです。
 世界の危機を尻目にお宝探しを楽しむゴブリン盗掘者「どぶろく」の誕生です。

7:根回しは重要

 先程も述べましたがゲームにおいて「迷惑なプレイヤー」は容赦なく蹴り出されます。どぶろくも迷惑なキャラとして設定しますが、GMと他のプレイヤーに不信を抱かれてはいけません。Discord上で参加者と意思疎通はできるので、わからないことや困ったこと、何気ないこともどんどん会話に出してこちらの意図を明確にします。チームの勝利に必要と思われる行動があれば、どぶろくが選びそうな理由をつけてそれに参加します。序盤の攻略として「全員で盗掘者になって使えるアイテムを増やす」という戦略が選ばれたのも幸いしました。
 この辺りは周囲の会話を聞きながら内心唸っておりました。敵が弱いうちに自力で増やせるリソースを最大限に集める。流石です。ゲーム開始前にそれを検討するメンバーが隣にいる、敵に回したくありませんね。

8:順風満帆

 新しい舞台で初めての試み、GMもプレイヤーも手探りで世界を探り始める出だしながら、順調に数更新が経過します。後でログが公開されるという話でしたので、私も個別ページの日記に加えて広域メッセージ(全体チャットに相当するエリア)で、ルールだけでは説明しきれないゲーム内の状況やちょっとしたTIPSを、どぶろくの視点でほぼ毎回残すように務めます。後から見た大勢の霧ファンが理解できなければ、やっぱり寂しいですからね。
 他の参加者も戦闘に慣れ、状況を把握し、それぞれの日記やメッセージを駆使したロールプレイに筆が乗ります。いやすごい。キャラ同士の交流もですが、水面下でプレイヤー同士がどういう段取りでロールを進めているかを見学できる卓です。これがめちゃめちゃ面白い。
 ただ、いつもの霧ゲームでもあるな‥‥とも感じました。その是非は置いておいて、このままの状態で更新を重ねて、果たしてラスボスに勝てるのか‥‥もしかしたら霧のひとは手心を加えてなんかいい感じに勝たせてくれるかもしれない‥‥いや、無慈悲に勝てないものは勝てないまま全滅エンドも楽しめるメンバーだし、ていうか最初から自力で勝てそうな猛者たちが揃っている‥‥けれど。
「お前は、そんないつものゲーム体験で満足するのか?」

9:状況の変化

 ここに一石を投じるのは正直言って怖いです。しかし、新しい試みに対する新たな反応を生み出すチャンスです。幸いにしてどぶろくは嫌われ者のゴブリンなので、ズルい立ち回りにうってつけ。
 ゲームにはGMが管理するキャラクターも参加していました。といっても自発的に行動する事のないただの置き物、それは「グレイヴスフィア」と呼ばれる墓標です。
 このキャラは何故か他の参加者と違い、常にソロで行動し、敵との戦闘に負け続けていました。不思議なことに、誰もその行動について言及しなかったと思います。
 それはGMが数合わせに用意した只の置き物だから。
 プレイヤーがGMと近づきすぎるのは宜しくないから。そんなイメージでしょうか。
 ここをつつきます。

10:ハンドアウト

 グレイヴスフィア宛にメッセージを飛ばします。メッセージ欄でも文字装飾を利用して細やかなロールプレイできるのは定期更新ゲームの強み。そこで、どぶろくは推理を披露しました。
 「マルチプレイに参加せず奇妙な行動を取り続けている奴が、この辺にいる」
 お前が言うな案件ですが、先程も言ったとおり目の前にあるのは只の置き物(としか見えない)ので、どぶろくは単に無縁の墓参りを済ませただけでもあります。

 帰還したら、守秘義務を課せられたメールが届いてました。

 あの時、おそらくGMも即興で新しいイベント考えたんじゃないかと思います。いや、仕組み自体は既に用意されていたのかもしれませんが、それを取り出すきっかけとしては、やはり偶然の産物でしょう。
 ここで少々トラブルが起こりまして、本来なら「メールが送られたこと自体」秘密にした方がお互いにスリルを味わえます。が、肝心のメールが何処に表示されるのか私が把握しておらず確認の質問をしたため、周囲のプレイヤーも何か今までにない事が起ころうとしていると気づきました。さらに、臆病なゴブリンが逃走を選んだため肝心のイベントは不発。
 どぶろくにとっては報酬を逃す大失態でしたが、ゴブリンらしさを貫いたまま勝利につながる数多くの情報を仲間にもたらした、じつに美味しい役回りだったと思います。

 嘘です。あの場では「見せしめにBANされてもおかしくないな」とお腹を痛めてました。

11:誰もがヒーロー

我々が発見したイベントは「戦闘で特定の行動を達成することで追加ボーナスを得る」というものでした。
 これの素晴らしい点は、参加者全員に戦場での見せ場が与えられる。という事です。そのためにGMはプレイヤーが選んだ種族別に挑むべき試練を用意しました。
 それはもう、みな嬉々として戦場を駆け巡ります。ついでにお宝もじゃんじゃん掘り出されましたし、ねんがんのウォーハイドラもドロップです。霧戦争はじまったな。
 これがまた強いわけですよ。明らかにゲーム終盤の最強装備。燃費もガンガン飛んでいく暴食の大蛇ですが、それすらロールに活かすプレイヤーもいて流石でした。いやすごい。
 そんな中で、また私は考えていました。参加者リストに名を連ねているからには、グレイヴスフィアもヒーローにしたい。その方法はあるか?と。

12:兵どもが夢の跡

 グレイヴスフィアは墓標です。では、それは誰のための?
 今までゲーム内で明かされた情報を再確認し、矛盾のない範囲でもう一度推理を行います。その推理に従って、必要な行動と、ゴブリンならでは選択を考える。
 その結果は、Worth of Mythology 第一班最終ログにて示した通り、あるキャラクターの姿をスクリーンショットに収める事で表しました。
 また、舞台がオンラインゲームであるからには、当然その世界でどぶろくを動かすプレイヤー(ややこしい)が存在するわけですが、そちらの人物設定もこの頃に固まってきます。そして最終更新でプロフィールにプレイヤー情報も開示。ハゲが共通項でした。

13:終わりに

 Worth of Mythologyは、濃密な幻想を共有する時間でした。第二班に参加した人々も、実際のやり取りはわかりませんが間違いなく濃密な時間を過ごしたのだと思います。叶うならば、望む全員にあの体験を味わってもらいたい。
 また、GMを始め参加者には無茶振りしたなぁという思いは、ちょっぴりあります。その節は迷惑なゴブリンにお付き合い頂き誠にありがとうございました。

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