これは定期ゲAdvent Calendar 2020[鶏] 12月23日の記事です。
前回の記事で私や定期ゲーの大まかな紹介とともに「Worth of Mythology(WoM)」に参加した思い出話を書きましたが、我々が人知れず戦っていたあの頃、歴史の表舞台を賑わすゲームがありました。ヒサギ氏が提供する「Stroll Green」通称ソラニワです。
私が複数の定期ゲーを掛け持ちしづらい時期だったため、当時は廃墟の陰で雑音混じりのラジオに耳をすますように、ソラニワ参加者たちの歓声や嗚咽を聞いておりました。
そして、WoM第一班の最終更新を終えた2020年2月。ソラニワもメインストーリーが佳境に入っておりました。twitterでは「羊飼いのバリア」「でかい羊」「まぼろしの花」に関する悲喜交交が飛び交っていた頃合いといえば、参加された皆さまには大体つたわるかと思います。
ふと、今から参加してみようか。などと思い立ちました。
きっかけは去年のAdventCalendar2019[裏]12月15日の記事で、ヒサギ氏がソラニワの発端について書かれていた事です。
Celestial Callはたいへん多くの参加者を集めると同時に、脱落者も多いゲームだったと記憶しています。面白かったのは間違いないのですが、システムや戦闘面のバランスに振り回されて引退したり、またAPを溜め込んで一気に使う有効性から、数週間ほど待機を始めてそのままモチベが遭難していったり。天頂に至る塔の冒険は、楽しさも、哀しみもたくさんありました。
私はといえば、ほぼ初めて触れた定期ゲーもあって周囲から随分と遅れながら塔の最上階を目指していました。ゲーム終了までにAPが足りなかったため、最終到達イベント戦はラスボスの2つ手前、黒幕が判明する前までです。あの時、ラスボス戦に何度も臨み私を連れ出してくれたPLもいました。ロールの縁があったとはいえ、とても嬉しかったです。勝利には本当に安堵しました。
そのような中、また一人知り合いが引退するので遺品整理をすると聞き、何気なく。
「じゃあ、その花束を君の代わりとして、最上階まで持っていくよ」
大まかにはそのような会話をしたと思います。そして偶然ですが、道中でレーヴェというNPCから復活効果のある素材・輝石を受け取り、こちらも不思議と縁を感じたので一緒に運び続けました。
塔の最上階、見晴らしの良い岩山の尾根で簡素な祠を作り、運んできた花束と石を供えました。
実際、花束を用いたロールプレイは多くの方々がやっていたと思います。いいですね、花束。塔内で結婚式もありましたね。いいぞ。
花といえば黒百合もありました。こちらも不思議な縁がありましたが、また別の話。
そんな、何気ないロールプレイヤーの一人として、花束から始まった物語に興味を抱いたのです。
Q:定期ゲーって、終了間際からでも楽しめるの?
先に書いた通り、ソラニワは既にメインストーリーのラスボス戦。公開スケジュールからも残り一ヶ月あるかないかのタイミングでしたが‥‥まだ新規参加枠を開かれているなら、今から飛び込んでもゲーム進められるんですよね(ニッコリ)くらいの気持ちで登録。
「ENo.1213 キャラ設定どうしようね‥‥モブ観光客でいいか‥‥名前、名前‥‥」
花に関わる舞台だからPC名も花から付けようと決めた所で、他定期で用いた霧文という単語を思い出します。
小ネタ:霧の文=Mist letter=Mistletoe(ヤドリギ)のもじり。
大地に根を張らず、どちらつかずの儚い植物‥‥いいですね。ここから特に明言はしませんでしたが、男装の麗人、高貴な出、離婚した石女といった人物像が浮かび上がります。
霧文の君――旦那は庭園の門をくぐりました。
後発に有利な点は、十分に育成された先行PLの助力、そして何より情報です。とにかく時間が迫っているので無茶をしつつも慎重に確認、今から自分に出来ること、出来ないことを見極め、手元のリソースを大事に使います。
キャラ同士の交流からリンクを増やしている暇もないので、少々姑息ですがtwitterで繋がりのあるPLを直接指名して戦力補充。
ソラニワは定期更新とAP制の中庸型で、ストーリーの遅れを散策のAP消費で補える仕組みでした。そして、散策で高難度を選び勝利すると、追加報酬を少し貰えます。
この高難度、ゲーム序盤相当の戦闘なら圧倒的に先行PC側が勝っていたのを幸いに、もうひたすら休みも取らずにマラソンして報酬を稼ぎます。塵も積もれば山。
また、PL同士のご縁で余りの花がどんどん贈られてきました。あれのおかげでスキルの改造が捗りました。旦那の体は皆さまの愛で支えられております。
後発に不利な点もありました。ソラニワは更新時に各種ボーナスがあり、先行PLはそれで能力値や所持金を蓄えていました。スキルの定着や花図鑑のLv上げも同様。
この格差は圧倒的で、例えば周りのPCたちの能力値合計が800~900だったのに対し、旦那の最終能力値は合計390、半分にも届きません。そしてこの結果はゲーム開始の時点から、ルールを読めば明確に予測できるものでした。万が一、何か見落としている可能性もあるかもと、運営に「これ、このまま進めて大丈夫なんすかね?」とメッセージも送りました。
この時点で考えられる困難は、自分は他人の駒を編成して動かすだけで、旦那はただそれを観戦して終わるのではないか。果たしてそれはゲーム体験として納得できるのか。です。
幸か不幸か、おまかせ観光では進めぬ場所に到着しました。
Ex.まぼろしの花
この最終エリアで立ちはだかる敵はそれぞれが驚異的な力を持ちながら、チームとしても機能する恐るべき集団でした。先行PCたちであっても油断は出来ぬ魔境です。
ここに来て旦那が足を引っ張ります。残念ながら私のツテでは一人欠けたまま安定するチームを編成できませんでしたので、無い知恵を振り絞らねば前に進めません。
攻略情報等を確認しますが、これはPCの能力値がある程度は育っている前提な所もあり、旦那にそのまま適用できないものが殆どです。攻撃と回復は論外、支援や妨害も焼け石に水、敵のステータスに依存するHP減少効果は頼れますが、これは他のメンバーも既に搭載しているので別の手段が望ましい。
苦肉の策として、デイスの一輪「トワイライト」を選びました。
トワイライト:【MP160】[敵3/✿華麗]STP減 / [味3/✿華麗]HP回復
正直、眼を見張る効果ではありません。STP減少にしろHP回復にしろ他にもっと実用的なスキルを周りは使っていました。
私は低い能力値から最遅の順番で行動するのが判っていたので、このトワイライトを敵のグリフォンに当てることにします。
グリフォンは✿華麗スタイルで反撃を多用するアタッカーです。これを回復の後ろから不用意に攻撃すると、またたく間に蹴り殺されて終了しました。そして驚異の行動速度からパワーを貯めて、味方チームに爆発的火力をもたらす「エルドラド」を放ちます。
このエルドラドから繋がる猛攻を防ぐのが、属性一致のトワイライト。最速で温まった華麗を、最遅タイミングで空っぽにして次ターンへ向かう。そして敵のラッシュを遅らせている間に、手練の仲間たちが向こうの数を減らし趨勢を占める。これです。
結果として私の不安は杞憂に終わり、旦那も戦闘に参加した上でストーリーのエピローグも済ませ、Exボスも撃破して黄金のジョウロを手に入れました。この戦闘バランスは素晴らしいの一言に尽きます。何しろ半分くらい諦めていましたから。
後発の不利な点として既に熟成された交流に参加しづらいというのはありますが、これ自体はロールプレイに興味があるかどうかも関わってくるので、過剰に危惧することも無いと思います。旦那の場合は庭園の各地を散策しながら、全チャで誰にともなく呟いて過ごしました。ありふれた観光客の一人、皆さまの物語を彩る背景の一部として。
PLが出会いを求めてるならゲーム参加は早ければ早いほど吉ですが、ひとりゲーム世界を味わうのに参加時期は誤差でしょう。
※黙々とゴールを目指し駆けている最中、私はソラニワでも花束を拾いました。ここの花束はフレーバーに等しいアイテムで、特に交流のない旦那には無用の品です。が、ゲームの発端を思うとこれはPLの誰かが必要とする日が絶対に来ると信じ、大事に抱えておりました。
あなたに渡すことが出来て、安心しました。
そしてGreen Festivalへ
コロナ、まだまだ収まる気配が見えませんね。2020年は年明けから不穏な感じで春には緊急事態宣言だのなんだのと、物々しく過ごす日々です。
そのような中、5月4日から「Stroll Green -Green Festival-」が臨時開放されました。
これは前回ソラニワで起きた出来事をお祭りとして追体験するという設定で、約一ヶ月間に渡り庭園の各地を散策する完全AP制のゲームです。最大の違いは更新時ボーナスが得られないため、前回と比べてPCの能力値が半分くらいに抑えられた事でしょうか。
「このステで(予想される)あいつらと戦うの‥‥?」みたいな不安の声も聞こえてきましたが、半分ということは前回の旦那より高いです。だいじょぶだいじょぶ。
私もソラニワは満足できたので今回は最初から参加を決めました。祭だから華々しい格好で歩き回るのもいいよね。という事で、続投する旦那にはバニーガールに扮してもらいました。なんで?
減った能力値の分は調子補正で賄う仕組みに変わっており、これは前回に私が苦労した部分を丸く調整したのだろうかと感じました。他にも細やかな調整が為されており、ゲーム作者は細かく物事を観察しているのだなぁと唸るばかりです。
旦那は散策を進めながら観光案内の真似をしたり、イベント会場の列整理をしたり、ナレーションで花時計の時報を鳴らしていたりしました。時報の時にリプを頂いた事がありましたが、あの時はこちらの反応を求めているのかどうか判断がつかず、そのまま流してしまいました。
あなたのロールの一助になれたのなら光栄です。
そんな、誰に構うともなく胡乱に呟き続けていたある日。
※画像はプライバシーに配慮し加工しております。 |
驚きました。つまり、前回の飛び入り参加を知っていて、今回の容姿の変化に気づいています。直接の交わりは無くとも、私のささやかなロールを見続けてくれていた人がいるのです。
このツッコミには思わず腹を抱えて笑いましたが、とても嬉しかったです。
ゲームの楽しみ方には色々あります。作者の趣向がそれを制限することもありますが、仮に定期ゲームだから他人と交流(ロール)しなければならない[どの程度?]等と、自分を縛ることもないでしょう。他者の交流や事情を踏みにじらなければ、自分は自分の楽しみを求めるのが良いですし、固定観念に囚われて「楽しめなければいけない」と苦しむのは不幸です。
時には不運と踊ることもありますが、気になる定期更新ゲームを見つけて、まだ参加枠が開いているなら、気軽に飛び込んでみてもいいんじゃないでしょうか。
あと、花束は大事にするといいね。いいよ。
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