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2026/06/01

Elona夏のSS -2026-

 (:3)刀乙の物語が読みたいのだ!
「苦し紛れの剥製」という題の、できれば『水』とひとりぼっちの『パエル』も出てくる物語を書いて欲しいのだ!
#EloSSfes #shindanmaker
https://shindanmaker.com/354401


へえぇー、お客さん博物館を経営しているんだ。手ずから剥製も仕上げてる? そりゃすごい!
ああ、そうだな。ここノイエルは女神ジュアの御利益バツグンで水も澄んでるめちゃ美味い。これだけ上等な水で洗浄すれば作品の出来栄えも目を見張るってもんだろう。
俺も商売柄、珍しいものを幾つも扱うからね。時には剥製も仕入れるけれど、中には獲物の体力に甘えて散々痛めつけた末に転がり落ちたとしか思えない代物もある。
持ち込んだ連中は怪物の力強さとか激闘の表れとか抜かしやがるが、それこそ苦し紛れってもんさ。もちろん、お客さんはそんな下手は打たない。そうだろ?
そこで、あんたに1つ取引を申し込みたいんだがね。

ああ、貴族の間じゃ人間の剥製も流行りでさ。珍しければ珍しいほどウケもいい。
町の北に母娘が暮らしているんだが、これが近所つき合いも疎遠らしくてな。母親は家で寝たきり、娘のパエルはいつもひとりぼっちで遊んでいるそうだ。
いやいやいや、殺しの依頼じゃあないよ。とんでもない! 俺は善良な商人で通っているんだから。
たださあ、人生何がおきるか解らないもんだし、住人が忽然と消えてしまう事だってある。そんな時、目撃者が少ない場所ってのはガードも早々に切り上げるだろうなぁ。
俺は何も知らないよ? なぁんにも知らない。出来ることは、珍品に関しちゃ向こうの雑貨屋よりも審美眼はあるつもりだし、きれいな剥製には需要があるとだけ。ね。

うん? エボンが気になるかい。確かにこいつは剥製になっても迫力は損なわれないだろうな。
でも諦めな、こいつは俺が命がけで捕らえた巨人だし、やっとの思いで足枷をつけるまでに何度死にかけた事か。
戦いを挑むどころの話じゃないのさ、今まで何人もの冒険者が腕試しと称してちょっかいを出してきたがビクともしねえ。あいつはグオーンと鳴いて澄まし顔だ。
だからって許しているとは限らんぜ。火ってのは思いのほか灰の奥底で燻っているもんだからな。偶々あんたが殴り倒されたって、そういうもんだろう。
冒険者がいくら腕に自信があるからと言ったって、こいつには敵いっこないんだから大人しく‥‥おいあんた何やってるんだそこから離れ‥‥馬鹿野郎!

~見世物屋の『モイアー』と銘打たれた剥製に添えられた言葉~

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