(:3)刀乙の小説が読みたい!
「ふわふわした雪」が登場する、できれば『教会』と『虚空を這いずる者』(ヴェセル)も出てくる小説を書いて欲しい!
#EloSSfes #shindanmaker
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幾度目かの冬きたる草原を、男がとぼとぼと歩いてゆく。長剣一本を佩いた身なりは薄汚れ、ボロ布同然のマントにはせめてもの飾りとばかりに雪が降り積もるまま。
ヴェセル・ランフォード ――『虚空を這いずる者』―― は、その名の通りゆく当てもなく、大地を踏みしめる感触もおぼつかず、ふわふわとした雪と同化していた。
生きるのが億劫とは、自ら命を断つ事すら面倒なのだと、そんな考えすら煩わしい。知ったふうな坊主は運命だ何だと舌を回していたが。
何か目的があるわけでもなく、ただこのまま雪に埋もれて夜を明かすのも面倒だから、屋根を探す。
そうして、地平の先に崩れた教会が見えた。