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2013/06/02

Elona冒険者のペットに100の質問! -ねこ-

はい。pixivに投稿しているコレの、アナザーサイド的な話というか、小ネタです('ω')




 御主人と馴染みとかいう情報屋が俺に近づいてきた、相変わらずへらへら笑っている。
「やぁお疲れさん。ここの主人は、いま家にいるかい? あ、取り込み中か。参ったな~~怒らせると怖いからなぁ‥‥。ん、いいや。後に回そう」
「そういえば、お前さんの主人もだいぶ偉くなったみたいだな、こっちまで名声が届いてるよ。どうしたそんな顔して?‥‥あー本題にいけってかそりゃすまない。お前さんのことを知りたいって奴がいるから、ちょっとばかし記事を書いてくれないかって頼まれたんだ。よければ協力してくれないか? なんならちょっとくらいの訓練費用を負けてやろう。なーに主人には許可をとっている。」
ウソつけ。お前がその場限りの言いくるめを話すとき‥‥いや、教えてやる義理は無いな。
「よしわかった、ありがとう。ちょっとばかし長いから覚悟してくれよな」

1 まずは名前を聞こう。
 ショナードだ。お前に教えるのが勿体無いくらい高貴な名前だろう。
2 ニャァーオか。なんか所以があるのか。
 勿論だ。俺がまだネズミを捕るのにも苦労していた頃、猫の王から直々に頂いた名前だ。すごいぞ。
3 それで読者はお前さんをなんて呼べばいいかい?ほら!あだ名とかだよ。
 ショナードと呼ぶ事を許すぞ。だが猫でもいい。俺は器の広い雄だから。
4 なるほどね、そういえばどこ出身だっけな。
 ああ、多元宇宙に連なる世界の一つ。猫界の生まれだ。
5 ついでに聞いておこう、種族と性別もだ。いや、最近はエーテル病で色々あるからな確認だ。
 お前の目玉は節穴か? 自由で高貴な猫に決まってるだろう。タマ見ろタマ。
6  次は生年だな、何月に生まれて今何歳だ?
 ん? 待て。確か春だ。年は‥‥前足の指じゃ数え切れないな。
7  こんな項目もあるな、髪と目、肌、あとは服の色、さらに外見的特長を書けって書いてあるな、どうだ?お前さんの自己申告でいいぜ。
 見ての通り、灰色と黒の縞。つま先の黒がブーツみたいでお洒落だろう? 瞳はライム。どうだ、控えめに言っても、お前よりモテる。
8 よく見ると服装いいじゃねえか、何かこだわってるのか?
 俺の毛皮をジロジロ見るなんて怪しいな。売らねえぞ。
9 そういえばお前さんの利き手はどっちなんだ?
 信じるかどうかは勝手だが、猫の利き手は尻尾なのさ。
10 後はそうだな・・・・・・身長と体重も聞いてもいいか?
 そんなもの測った事は無いが、カトラスよりは短いだろう。
11 お前さん、さっきからニャーニャーとしか言わないな。話は通じているのか?
 お前が猫語を真似ても全く似ていないから、やめとけ。恥をかくぞ。
12  そういえば今の主人にはどうやって会ったんだ?
 ここから西の山にある洞窟で雨宿りをしていた時に、な。
13 お前さんは何番目のペットだ?
 てめぇこら舐めんじゃねえ。ここの御主人は高貴な俺に飯を振る舞い、俺は礼としてこの家を護っている。あくまでも、対等な関係だ。
14 で主人のことをなんて呼んでるんだ?
 御主人だ。
15 なるほどね、それじゃあ主人ことどうおもってるんだい?
 不器用な女だな。だがそこが良い。
16 そういえばペットといえば紐とか聴診器だけど。あれどう思う?
 この家には無いから解らんが、ペットなら使うだろう。
17 なるほど、あと聞きにくいことなんだが、遺伝子複合機ってあるだろ?使われたことあるか?あと遺伝子合成についてどう思う?
 アレか。漬物を寝かせるのに便利だな。難しい事はよく解らん。
18 次はお前さん自身についてだ、ずばりお前さんの性格を自分で表すとどんな感じだ?
 淑やかで忍耐強く、礼節を重んじる高貴な雄だ。見た目通りかな。
19 次はお前さんの長所だ。
 長い所? 尻尾か。
20 ふむふむ、次は短所も言ってみようか。
 短い所? 爪じゃないか?
21 そうだな、あとは口癖‥‥はニャーだよな。失敬失敬。
 おい勝手に決めるな。お前もプロなら仕事に手を抜くんじゃない。
22 ああ!これを聞くのを忘れてたぜ。ほら!お前さんの職業だよ。すまねえな、聞かせてもらえるかい?
 いやいや、猫は猫だろう。
23 なるほど、で普段はどこを拠点で活動してるんだ?
 居間だ。そこで日々、驚きの大冒険を繰り広げているが、それはまた別の話だな。
24 じゃあお次はそうだな・・・・・それ以外で普段は何をしてるんだ?(副業など)
 ああ。ヒゲを張り巡らせて、あらゆる異変に気を配っている。
25 趣味を聞かせてもらってもいいかい?
 森の散策だな。
26  次は特技だな、何かあるか?
 お前たち人間が作った扉なら、ドアであれ引き戸であれ、難なく開けられるぞ。
27 後はー・・・愛読書なんかあったら聞いてもいいか?好きな本のジャンルでもいいぜ。
 特に拘りは無いな。御主人が興味を持っている本なら、一応知っておくのが礼儀だろう。
28  今の職についた理由とか聞いてもいいか?
 理由など考えた事も無かったな。きっと俺が高貴だからだろう。
29 じゃあ今の職についてなかったら何をやってたと思う?
 猫が猫で無かったら? お前も変な事を聞く奴だな。
30 次は現在の目的、目標を聞かせてもらってもいいか?
 今の目的は、この家を護る事だ。目標はそろそろカツオが食べたいな。
31 しかし困ったな。ここまで解答欄にニャーとしか書かれてないぜ。
 お前が正確に書き写していれば問題ない筈だろ。違うか?
32 お前さんの好きな言葉はなんだい?
 ご飯だ。
33 いい言葉だ、そういえばお前さん料理できるのか?できるなら得意料理も教えてくれ。
 料理は生に限るだろう。
34 なるほどね、それじゃあ好きな食べ物と嫌いな食べ物は?
 好きなものは、取れたてのカツオだな。嫌いなのは、熱してあるものだ。
35 なるほど、そういえば主人の料理はどうだい?
 美味いぞ。冷たくて。
36 じゃあ次に好きなことやものを教えてもらってもいいか?
 爪を研ぎ、俺が此処に居ることを知らしめる事だ。
37 じゃあ嫌いなものは?
 しつこく構ってくる男だな。
38 好きな場所とかお気に入りの場所とかあるかい?あるなら少しだけ教えてくれよ。
 その日の明るさや暑さ寒さ、湿り気や気分で最高の場所は移ろってゆく。この秘儀を教えるのは難しい。
39 お前さん、異性や同姓でもいいや、好きなタイプとかいるかい?
 やたらとベタベタしない事‥‥かな。
40 それじゃあ嫌いなタイプはどんな奴だ?苦手でもいいぞ。
 鏡を見るのが一番だぞ。
41 おい、お前さん今笑わなかったか?
 にゃーん。
42 結婚といえばラファエロっているだろ?あの嫁を買い取る奴だよ。あいつのことどう思う?
 いっちゃ何だが、女の趣味は悪いな。
43 もし、もしだが主人に首にされたらどうする?
 それは無いな。お前の言うもしもは、ここが此処では無くなる時だ。
44 もう結構質問も進んだな、そろそろ酔いも回ってきただろう?そういえばお前さんは酒は強かったか?
 あんな安酒で俺を騙せると思っていたのか。おめでたい奴め。
45 なるほどね、ところであんたは気持ちいいことについてどう思う?
 自然の理に躊躇う理由などあるのか?
46 それじゃあ話題を変えようか、朝起きて最初に必ずすることとかあるかい?
 御主人を起こす事だな。
47 じゃあ寝る前に必ずすることはあるかい?
 毛繕いだ。
48  なるほどね、後は眠れない時とかお前さんは何か気分転換とかするかい?
 眠れない時は起きている。眠いときに寝る。
49 じゃあストレスがたまった時にどうやって解消する?
 ストレスを遠ざければ良いだろう。
50  OK、それじゃあ次はお前さんの旅について聞いてみよう。旅に出るときに絶対に持っていくもの、必需品とかあるかい?
 猫というものは、わざわざ道具に頼らずとも必要な事は全て己の身で行える様に出来ているのだ。
51 お前さんの得物は、爪以外に何かあるのか?
 (頭を差しながら)ここだよ、ここ。
52 いや、額を擦ってないで質問に答えてくれよ。
 すまんすまん。お前には高尚なジェスチャーが通じなかったと見える。
53 他にどんなレアな代物を持っているんだ?
 そうだな‥‥町の行く先々で人間たちを虜にするカリスマだろう。
54 お前さんの他にも主人は仲間を連れているか?よければ簡単に紹介してくれ。
 ふむ。御主人がいつも引き連れているのは、黒い翼を持つ天使だ。俺の思うところを実によく察してくれる、いい女だな。
55 お前さんは何か特定の信仰はあるかい? どの神を信じてるんだ?
 御主人に敬意を表して、風の女神に帰依しているぞ。
56 それ以外に、信じているもの(こと)はあるかい? それは何だ?
 我等が猫の王だ。
57 あんたも秘密のひとつやふたつもはあるだろ? ここだけの話、聞いてもいいかい?。
 そうだな‥‥ここだけの話、お前たちが無性に恐れる黒い****と、日夜戦っている。
58 ついでに苦手なものとかあるか?
 ああ、人間たちが好む食べ物の中には、我々が中毒を起こすものもある。悪気は無いのだろうが気をつけてほしい。
59 あんたは集団戦とか得意かい?もし集団戦するならどこらへんが得意だ?
 俺たち猫は一流の戦士だから、数に頼ったりはしないんだ。
60 あんたの周囲の人はどんなやつだ?
 うん?‥‥んー。色んな奴が多すぎて何とも言えないぞ。
61 その中で「好き」または「相性がいい」と思うやつはいるか? 良ければ聞きたいな。
 ふん。大抵の冒険者は「己の領分」というものを大事にしている。転じて、それは相手の領分を弁えるという事だ。
62  また、「嫌い」または「相性が悪い」と思うやつはいるか? 問題なければ聞きたいな。
 ヒゲを引っ張るのは勘弁してもらいたいな。
63 しかし、さっきから猫に話しかけている俺は一体なんなんだろうね?
 仕事熱心な点は褒めてやろう。惜しむらくは、でたらめな事しか書いてない所だがな。
64 他人から、自分はどんなやつだと思われていると思うんだ?
 誰もが一声かけたくなる、高貴で仁義に厚い雄だろう。
65 ライバルはいるか? そいつのことをどう思うんだ?
 時おり迷い込んできては、やたら媚を売るチビ猫だな。アイツ、陰ではプチをいじめているぞ。
66 一番大切なこと(もの)は何だ?
 難しいな。それは刻一刻と変する。
67 エーテル病についてどう思う?主人はかかっているか?
 よく解らん。アレは本来、病気を起こすものでは無いからな。
68  変異についてどう思う?特に人肉嗜好についてだな。
 ゴブリンやオークよりは、柔らかくて食べやすいぞ。
69 必殺技や切り札があるかい?よければ聞かせてほしいな。
 言葉で説明するよりも、実際にやってみた方が早いだろう。ほれ。
70  いてえぇーーっ!!!1
 必殺技が痛くなかったら使い物にならないだろう。
71 ひぃ‥‥ふぅ‥‥本気でやるこたぁねえだろう‥‥。
 感謝して良いぞ。俺が本気を出していたら、お前は死んでいる。
72  ‥‥これだけは許せない、ということは何だ?
 俺の眠りを邪魔する事だ。
73  今まで行った場所の中で、一番遠いところはどこだ?
 西だな。大きな町があって、とても大きな‥‥水があった。
74 今まで行った場所の中で、一番良かったと思う場所はどこだ?
 この森を抜けた先にある村だな。あそこには不思議と居心地の良い場所が沢山ある。
75 今まで生きてきた中で、一番の自慢話をしてもらってもいいか?
 そうだな、あれはまだ俺が(以下略)
76  今まで冒険してきた中で、一番印象に残っている出来事を聞いてもいいか?
 するとアイツは物凄い勢いで飛び(以下略)
77  今まで生きてきた中で、謎として残っている出来事を聞いてもいいか?
 流石の俺も、あの時はど(以下略)
78 今までの人生で、最大のピンチは何だった?
 その時、突然目の前(以下略)
79  どうやって切り抜けた?
 というわけで、気がついたら城の外で目を覚ましたのさ。
80 今まで言われた中で、衝撃的な一言を聞いてもいいか?
 お前、さっきまでの俺の話を聞いてなかっただろう?
81 「人生を決めた」と思う選択をひとつ教えてくれ。
 御主人に着いて行こう。そう決めた事かな。
82 もう絶対にここには行かないって場所はあるか? よければ理由も教えてくれ。
 いや、うん。向こうの大きな街にちょっと面倒な女がいてな。
83 いってみたいところはあるか?国でも場所でもいいぞ。
ああ、南西に広がる平原には猫の女王が住んでいるらしいな。一度お目にかかりたいものだ。
84 思い出したくもないような体験をひとつ教えてくれ。
 ここから西の、湖の畔にある町でうっかりレンジとやらに閉じ込められた時は、肝を冷やしたな。
85 今まで戦った中で、一番手強かったもの(人)を教えてくれ。
 魔術師だな。とにかく、魔法というものの勝手がよく解らないのが困る。
86 死にかけたことはあるか? よければ原因を聞いてもいいか。
 ああ。この家のすぐ脇に立つ大木に登ったまでは良かったが、頂上でカラスに襲われてな。
87 神にあったことあるか?
 そうだな。夢の中で魚を沢山ご馳走してくれるぞ。
88 自分はどんな死に方をすると思う?
 さてな。死んだ事も死んだ奴も知らない。消えるんじゃないか?
89  幸せを感じるのはどんな時だ?
 活きのいいカツオに出会ったときだ。
90 ひとつだけ願いが叶うとしたら、何を望む?
 その時に必要なものだろう。
91 憧れる、または尊敬する人はいるか? どんな人だ?
 我等が猫の王だ。あの御方は俺に高貴を与えてなお余りある高貴に包まれる御方だからな。
92 子どもの頃、将来なりたいものは何だったんだ?
 猫だ。
93 それは叶ったか?
 猫は猫だろう。
94 今の自分は好きか?
 勿論だ。お前たちを虜にするほど魅力ある俺を嫌うなど、強欲が過ぎるだろう。
95  守りたいものはあるか?
 この家だ。
96 今までに主人から受けた理不尽な仕打ちはなんだ?
 ああ。俺が全身全霊をかけてこの家を護っている時に、あろうことか「邪魔だからどけ」と蹴飛ばされたぞ。ま、俺はその程度で怒るほど小さくはないがな。
97 主人に対して何か要望はあるか?
 そうだな。食事にもう少し生魚を増やして貰えると、俺も安心してこの家を護る事が出来る。
98 ぶっちゃけて主人に対して何かいいたいことはあるか。 
 この情報屋。あんまりアテにならないと思うぞ。
99 結局、お前さん「ニャー」しか言わなかったなぁ。
 案ずるな。心の眼で見ろ。
100 お疲れさまでした。最後に一言どうぞ。
 んぁー。

 「‥‥やれやれ、俺も焼きが回ったかなぁ」
 そういって情報屋は骨だけ残ったはじけ魚を俺の前に置くと、立ち去っていった。

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